発達障害とは、脳の発達に障害があることで、思考、言語、コミュニケーション、行動などに問題が生じることがあります。主な発達障害の例として、ASDやADHDが挙げられます。
発達障害を持つ人が就職活動や転職活動をする際には、様々なハードルがあり、内定までの道のりが険しく感じることがあります。
本記事では、発達障害は面接で見抜かれてしまうのかについてや、面接で落とされないための対策について解説します。
発達障害の人が採用されない・面接に落ちる理由

発達障害を持つ人が面接で落とされやすい理由は、以下の通りです。
コミュニケーションの壁
発達障害を持つ人は、コミュニケーションに苦手意識を持っていることが多く、面接での会話がスムーズに進まないことがあります。
また、意図がわかりにくい質問に答えることが難しい場合もあり、それが理由で面接に受からないことがあります。
面接官が発達障害についてよく知らない
発達障害は多様な症状がありますが、面接官がそれをすべて把握しているわけではありません。
例えば、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ人は、コミュニケーションに問題がある場合があるとされていますが、その症状を理解していない場合、単に「コミュニケーション能力に乏しい人」だと判断され、面接に受からないことがあります。
強みのアピールや不得意な分野の説明が上手くできない
発達障害を持つ人は、仕事に活かせる強みを持っていることも多くありますが、それに本人が気づいていなかったり、どうアピールすればいいのかわからない場合があります。
また、不得意な分野に関する質問があった場合、うまく答えることができず、不採用につながってしまうことがあります。
多くの企業は「発達障害だから落とす」わけではない
とはいえ多くの企業は






発達障害の人は面接で見抜いて落とそう。
と思っているわけではありません。
業界や職種によっては扱いづらい人材であることは事実ですが、あくまで企業が面接で見ているのは「仕事に必要な能力が備わっているかどうか」「会社に利益をもたらしてくれる人材かどうか」です。
そのため、発達障害の有無とは関係なく、その仕事に適した人材ではないと判断されれば不採用になります。
もし面接で落ちるようなことがあっても「発達障害だと見抜かれたから落ちた」と悲観するのではなく、どうすれば企業にとって価値がある人材に見せられるか?を考えた方が内定に近づけます。
発達障害を持つ人が面接で落とされないための対策




発達障害を持つ人が面接で落とされないためには、以下のような対策があります。
自己分析を徹底する
企業にとって価値がある人材に見せようにも、「ウリ」となる強みがわからなければ難しいですよね。そのために行うのが自己分析です。
まずは自分の得意なことを紙などに書き出してみましょう。「自分には得意なことなんてない」と思う人にも、下記のようなことが1つくらいはありませんか?
- 自分にとっては当たり前にできること
- 何時間やっていても苦にならないこと
これらも十分に「得意なこと」として成立します。そしてそれらができる人が少なければ少ないほど、あなたは稀少な人材となります。
あくまで一例ですが、下記は就職・転職活動において十分に強みとしてアピールできます。
- 日頃から積極的に情報収集を行っている
- 細かいことによく気が付く
- 地味な作業を長時間やっていても苦にならない
- 趣味や興味を持っていることがたくさんある
- まずやってみようというチャレンジ精神と行動力がある
本人にとっては「できて当たり前」でも、できる人は世の中そう多くないということは多数あります。
それを見つけて、どう売りこめば企業から見て魅力的に見えるのかを考えてみてください。




面接のシミュレーションを行う
面接でうまく会話ができない、返答に詰まってしまう理由の一つに「予想外のことが起こった」が挙げられます。
予想外のことが起こるのをゼロにはできませんが、面接のシミュレーションを行うことで、ある程度は返答に詰まってしまうのを避けることができます。
企業によって多少の違いはあるものの、面接で聞かれること・話すべきことは似通っています。
過去の面接で聞かれたことなどを思い返して紙などに書き出し、「この質問にはこう答える」と事前に決めておき、言葉に詰まらず答えられる練習をしましょう。
過去に面接で聞かれて返答に詰まってしまった質問がある場合、今ならどう答えるか考えておくことで、再度その質問をされても返答に詰まらずに済みます。
面接後はその日のうちにお礼の連絡を入れる
面接が終わったらその日のうちにお礼の連絡を入れておくことで、企業に好印象を残すことができます。
面倒ですが、意外とできていない人が多い部分なので、やっておいて損はありません。
面接での印象が良くなかった場合、お礼の連絡のみで評価を覆すことは難しいですが、同程度の評価の候補者がいる場合は差別化できる可能性が高くなります。
発達障害について面接で言うべき?
結論から言うと、発達障害について面接で言う必要はありません。
発達障害の有無とは関係なく、適性のある優秀な人材だと判断されれば採用されますし、そうでなければ不採用になるからです。
ただし、発達障害への配慮を企業側に求める場合は面接で言うべきです。
その場合も発達障害である事実をただ伝えるのではなく






発達障害の特性により××な作業は苦手ですが、得意な〇〇でカバーいたします。
と伝えることで、むしろプラスの印象を与えることができる可能性があります。




【企業向け】発達障害を隠して面接に来た人を「採用してしまった」と思ったときの向き合い方




採用後に発達障害が発覚した場合には、腫れ物扱いしたり特別扱いをするのではなく、その人の特性を理解して適切なフォローを行うことで、パフォーマンスを発揮できるようになります。
また、発達障害の人にとって働きやすい環境に整えることで、発達障害の有無に限らず多くの人にとって働きやすい環境になる可能性が高くなります。
職場の環境を調整する
発達障害の人が仕事でパフォーマンスが発揮できるよう、職場の環境を調整する具体例としては、下記が挙げられます。
- 感覚過敏があるなら大きな音や強い光などの刺激を避けられるようにする
- 相性が悪いことがわかっている上司や同僚と組ませない
- 仕事に直結しない社内イベントへの参加を強要したり、評価に影響させない
これらが実現されていない職場は、発達障害の有無に限らず多くの人にとって「働きやすい」とは言い難いものです。
業界や職種によっては難しいこともあるかもしれませんが、できる限り上記を実現することで、働きやすい職場の環境が整います。
強みを活かす業務を与える
できないことや苦手なことばかりに注視するのではなく、他の社員と比べて秀でている部分がないか探してみましょう。
あくまで一例ですが、具体的には下記のような事例が挙げられます。
- 細かいところによく気が付く
- 創造力豊かで斬新なアイデアを出す
- 仕事は遅いが丁寧
発達障害の有無に限らず、誰にでも向き不向きはあります。
できないことや苦手なことを無理に克服させるより、強みを活かす業務を与えた方が、生産性やモチベーションを高められます。




指示の内容と目的を明確にする
指示をする際に






なんとなくいい感じに…






とりあえず形にしてみて…






臨機応変に…
等の言葉を多用していないでしょうか。
こういった内容が明確でない指示は、発達障害の有無に限らず実は多くの人を困らせています。
指示する際は「何のためにその仕事を行うのか」という目的も伝えましょう。目的を伝えることで、その仕事をする必要性を理解してもらえます。
「そういうものだから」「ずっとそうしてきたから」で行っている業務は、今はもう必要がない可能性も高いです。
何のためにその仕事を行うのか聞かれた際に明確に答えられないなら、思い切って止めてしまうことで、生産性の向上やコスト削減につながることがあります。
マルチタスクにならないようにする
発達障害を持つ人は、マルチタスクが苦手な人が少なくありません。
そのため新たな仕事を依頼するときは、現在抱えている仕事を把握した上で、1つの仕事に集中できるようにしてあげることで、ミスや生産性の低下を防ぐことができます。
発達障害の有無に限らず、マルチタスクが常態化しているのは多大な負担になっている可能性が高いです。
その場の思いつきで新しい仕事を依頼するのではなく、現在抱えている仕事を把握し、優先順位を明確にして1つずつ処理していけるよう心がけましょう。
薬の副作用による体調不良を理解する
発達障害を持つ人は、仕事をスムーズに進めるために薬を服用していることも多いです。
そのため、薬の副作用により体調不良で休むことがあったり、頻繁にトイレに立つことがあります。
しかし、体調不良によって仕事を休んだり頻繁にトイレに立つのは誰にでも起こりうることです。
仕事を休まない・休めないようにするよりも、誰かが休んでも問題なく回るような仕組みを作った方が、生産性の向上や離職率の低下につながります。
まとめ
発達障害を持つ人が面接で落とされない対策としては、自己分析を行い、面接でのコミュニケーションがスムーズに進むよう工夫することが重要です。
採用後に発達障害が発覚した場合には、企業側がその人の特性を理解し、適切なフォローアップを行うことで、多くの人にとって働きやすい環境になることが期待できます。







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