日本の労働市場では新卒採用が一般的でしたが、転職が当たり前になったことにより、中途採用が活発になっています。
しかし、転職エージェントを利用した際に、ブラック企業ばかり紹介されたという声もよく聞きます。
本記事では、その理由や対処法について詳しく解説します。

転職エージェントがブラック企業ばかり紹介する理由




「転職エージェントからブラック企業ばかり紹介された」という声が上がる理由としては、下記の内部事情が関係しています。
- 料金を払えばブラック企業でも利用できるから
- 成果報酬を手っ取り早く得たいから
- 人材としての価値が低いと思われているから
料金を払えばブラック企業でも利用できるから
転職エージェントはハローワークのように国が運営しているわけではなく、利益を得るための事業として職業紹介を行っています。
求職者は法律により無料で転職エージェントを利用できますが、企業はエージェントに紹介してもらった求職者を採用する際に料金が発生します。
そのため、ブラック企業であっても、料金さえ払えば転職エージェントを利用することは可能なのです。
請求した料金を支払わなかったり、待遇や環境が劣悪で早期離職者が続出したり、反社会的勢力との繋がりが発覚した場合などはエージェント側から断ることもありますが、料金さえ払えばブラック企業でも転職エージェントを利用できるため、紹介した求人の中にブラック企業が紛れている場合があります。
成果報酬を手っ取り早く得たいから
転職エージェントは、紹介した求職者の採用が決まった際に、企業から成果報酬を得ています。
そのため、担当アドバイザーによっては、求職者の希望よりも「採用されやすいかどうか」を重視して求人を紹介し、成果報酬を手っ取り早く得ようとすることがあります。
しかし、求職者が早期離職した場合、転職エージェントは成果報酬を返金しなければいけないルールがあります。
早期離職は転職エージェントにとっても損害が大きいため、そう簡単にブラック企業を紹介するわけではありません。




人材としての価値が低いと思われているから
転職エージェントにとって、どんな人材でも同等に価値があるかと言われるとそうではなく、欲しがる企業が見つからず報酬が得られる可能性が低い求職者は「人材としての価値が低い」と思われてしまうことがあります。
紹介できる求人がないと判断した場合、転職エージェントは登録自体を断ることが多いですが、それを承知の上で登録させ、誰でも採用するブラック企業を紹介するアドバイザーも存在します。




転職エージェントに騙されたときの対処法




一口に「転職エージェントに騙された」と言っても状況は様々ですが、転職エージェントから聞いていた話が事実と違った場合には、以下のような対処法があります。




やりとりしたメールの中で事実と違った部分を探す
登録時の面談は対面や電話で行うことが多いですが、転職エージェントに登録後の担当アドバイザーとのやりとりは、基本的にメールで行うことが多いです。
対面や電話は録音していない限り証明が難しいですが、メールなら担当アドバイザーとやり取りしたログが残ります。
その中で、担当アドバイザーが言っていたことと実際の事実が異なる部分を探しましょう。
例えば






この求人は完全週休二日制ですか?
と質問したメールに対し






完全週休二日制です。
と答えていたのに、面接で聞いてみると週休二日制だった…等の場合は、事実と違うと言って差し支えないでしょう。
しかし、「給料が高い・低い」「残業が多い・少ない」等については個人の主観による違いも大きいため、聞いていた話と違うことを立証するのは難しいことがあります。
担当アドバイザーの上司や運営会社に報告する
担当アドバイザーから聞いた話が事実と違うことが証明できたら、担当アドバイザーの上司か、運営会社のお問い合わせ窓口から報告します。
上司の連絡先はわからないことが多いので、運営会社のお問い合わせ窓口が良いでしょう。
担当アドバイザーの対応に問題ありと判断したら上司か運営会社から連絡が来るので、聞かれたことに答えていきます。
どこまで信用したらいい?転職エージェントに騙されない活用法




ここまでの話から、転職エージェントは「求職者を騙して儲ける悪質な事業をしている」というイメージを持った人もいるかもしれませんが、そうではありません。
しかし、目先の報酬目当てに求職者の希望を聞かず、ブラック企業であってもごり押しで入社させようとするアドバイザーが存在するのは事実です。
転職エージェントに騙されず、賢く活用するために必要なことを解説します。




転職エージェントのビジネスモデルを理解する
転職エージェントは求職者に料金を請求することを法律で禁止されているため、企業からの報酬を得ることで利益を得ています。
言わば転職エージェントにとっての「お客様」は求職者ではなく、企業なのです。
そのため、転職エージェントが紹介する求人は、必ずしも求職者にとって最適なものばかりとは限りません。
このことを理解した上で利用することで、「騙された」となる事態は防げます。
しかし前述の通り、求職者の早期離職は報酬を返金せねばならず、転職エージェントにとっても損害が大きいです。
転職エージェントが求職者にブラック企業を紹介するメリットは基本的にないので、過剰に警戒する必要はありません。
転職先に求める条件の優先順位を明確にする






特にやりたい仕事もないし、求人を探すのも面倒。
転職エージェントに任せれば、自分でも採用されそうな、なんとなくいい感じの求人を紹介してくれるんでしょ?
このような考えで転職エージェントを利用すると、紹介された求人がたとえブラック企業でなかったとしても「騙された」と感じる可能性が高くなります。
これは、転職先に求める優先順位が明確になっていなかったことから起こります。
希望する額以上の給料がもらえて希望する日数以上の休日があり、福利厚生が手厚く職場に通いやすい求人を紹介してもらえれば理想ですが、現実的にはそんなことはありえません。
何を優先するかを明確にして、全てをエージェント任せにしないことで、転職後に後悔することを防げます。
労働基準法違反が常態化しているのは誰から見ても明らかなブラック企業ですが、そもそも何をもって「ブラック企業」とするのかは人によって異なります。
ブラック企業に入社するリスクをゼロにはできませんが、自分が転職先に求める条件の優先順位が明確になっていれば、転職エージェントのポジショントークに流されない選択ができます。
求人の紹介を待つだけでなく自分でも探す
転職エージェントを利用する際は、紹介された求人にしか応募してはいけない決まりはありません。
自分でも転職エージェントのサイト内で求人を探してみることをおすすめします。
大手の転職エージェントなら、会員専用のサイトやアプリで非公開求人も見れることが多いです。
転職エージェントのビジネスモデルの都合上、紹介される求人は必ずしもあなたの希望に沿ったものではありません。そのため、自分でも求人を探す必要があるのです。




自分の都合ばかり押し付ける担当者にはクレームを入れる
担当アドバイザーがこちらの都合を一切聞かず、自分の都合ばかり押し付けてくるようであれば、それを理由に担当者の上司か運営会社にクレームを入れて担当者を変更してもらいましょう。






そんな理由でクレームを入れていいの?
と思うかもしれませんが、こちらの主張に正当性があれば対応してもらえます。
それでも角を立てたくない場合は、退会して他社に乗り換えることをおすすめします。
日本企業にまともな企業がないと言われる理由




「日本企業はブラックばかりでまともな企業がない」とまことしやかに言われますが、その理由として考えられるものを解説します。
JTCと言われる企業の特徴から
JTCとは、「Japanese Traditional Company」の略称です。
日本語のインターネットスラングとして用いられる「JTC」とは、「Japanese Traditional (Big, Old) Company」の略で、伝統的な日本の大企業のことを意味する。伝統的な日本の企業の悪しき風習や良くない文化、もしくは「ありがちなこと」に対して揶揄、冷笑、自虐する際に用いることが多い。
引用元:https://makitani.net/shimauma/japanese-traditional-company#:~:text=日本語のインターネットスラング,に用いることが多い。
近年は改善傾向があるとはいえ、JTCと言われる企業では未だに年功序列での出世や、長時間残業やサービス残業が評価されたり、勤務時間外の飲み会を強制される風潮が根強く残っています。
日本企業がブラックばかりと言われる理由の一つと言えます。
中小企業はブラックばかりと言われる理由
中小企業は、大企業に比べて経営資源が少なく、同じ職種でも給与水準が低い傾向があります。
また、大企業に比べて福利厚生が少なく、残業代を支払わないなど、労働条件が悪い場合が多いと言われています。
中小企業でも、比較的新しいベンチャー企業などは日本企業にありがちな悪しき風習がないことも多いですが、家族経営や明確な経営方針がないなど、問題がある中小企業が少なくないことも、日本企業がブラックばかりと言われる理由の一つと言えます。
中途採用をしている企業はブラックばかりと言われる理由
中途採用をしている企業がブラックばかりと言われるのは、人が定着せずに辞めるから中途採用せざるを得ないと考えられていることが理由です。
しかし、これは終身雇用前提の考え方であり、転職が当たり前になった現在では優良だと言われる企業も中途採用するのが当たり前になっているため、当てはまらないと言えます。
まとめ
転職エージェントに「騙された」という状況になることを避けるためには、転職エージェントのビジネスモデルを理解した上で、全てをエージェント任せにせず、求人を探したり主体的に動くことが重要です。
また、日本企業がブラックばかりと言われる理由として、日本企業で古くからある悪しき風習や、労働環境が改善されていない企業が未だに存在していることが挙げられます。
転職先に求める条件の優先順位を明確にして取捨選択することで、転職エージェントに流されない選択をすることができ、転職で後悔することを防ぐことができます。







コメント